わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

真のメンターとは何か?、神経薬理学から神経科学への発展

「研究は勉強ではないし、勉強であってはならない。研究は未知への冒険なのだ。」 ジュリアス・アクセルロッド 「実験をしろ、そして発見しろ。」 ソロモン・スナイダー 今回は最近気になった本を紹介します(上の言葉は、この本から引用)。 メンター・チェ…

2018年の読書(その3)人工知能

今回は最近読んだ人工知能関係の本を3点紹介したいと思います。 中身そのものをあまり紹介してしまうとネタバレになってしまうので避けますが、是非考えていきたい問題を含んだ3冊の本です。 (1)AI超大国:中国、シリコンバレー、世界新秩序 AI Superpo…

2018年の読書(その2)ノーベル賞、脳、進化、そして今

終わりつつある2018年。私の今年を振り返りながら、紹介したいと思います。 (その1は、内容が「科学」ではないので、別のところにアップしてあります。) 私の iPhoneのAudibleのスクショ。 (1)ノーベル賞 The Breakthrough: Immunotherapy and the Rac…

基礎からの神経科学(その1)電気現象

科学分野の人ですと、「ファインマンの物理」を読んだことがあると思います。非常に初歩的なところから、本質をわかりやすく説明して、高いレベルにまで到達できるようになるような基礎知識を与えてくれる本でした。英語でも学べますが、深く考えることがで…

杜撰な科学

こちらのブログは、純粋に科学を語るということを目的としています。数年前ですが、日経バイオテクへの寄稿の中で、「バッドデータ」問題というのを話題にしたことがありました。 「科学研究では、学術論文発表前の学会発表、発表された論文、あるいは蓄積さ…

日本のMangaで学ぶ生物学

ハーバードのThe Coop(生協)の書店では、少しばかりマンガも売られています(地下です)。でも、1階の多くの科学関係専門書の中に混じって、この本も置かれています。3冊も。。Bruce AlbertsのMolecular Biology of the Cellは、1冊しか置かれていません…

新刊洋書:科学技術バズワードの本

バズワードというのは、「人に関心を持ってもらうため、もっともらしい説明が付けられた専門用語のこと(コトバンクより)」らしい。そういうのは沢山あります。実はよく知らないので、もっと深く勉強してみたいということがあると思います。日本ですと、新…

2017年のおすすめ生命科学の本(パート5)

2017年の生命科学関係の本を紹介してきましたが、このシリーズは今回でお終いです。最後は、キャリア関係のものです。 この本は、2016年夏に出版されたものですが、去年、私が研究している建物の玄関のところで紹介されていて知った本です。 Women in Scienc…

2017年のおすすめ生命科学の本(パート4)

今回は、ハーバード大学のThe COOP(生協)の書店の入り口のところに、沢山積み上げられていた神経科学(?)関係の本を中心に紹介します(写真)。 TheCoop - The Harvard / MIT Cooperative Society Store. (1)ヒトの行動生物学 まず、最初の本は、この…

2017年のおすすめ生命科学の本(パート3)

今回と次回は、「神経科学」「脳科学」関係の本を紹介したいと思います。 日本では、脳科学というと、テレビ番組によく出演している自称「脳科学者」の書いた本がよく売れているようです。拙ブログは、純粋な科学を語ることにしているので、こうした書物につ…

2017年のおすすめ生命科学の本(パート2)

パート1では、遺伝子関係の本が中心でしたが、今回は2冊の「歴史書」の紹介です。歴史の中では、為政者の戦争や政治などに埋もれてしまいがちなのが、民衆のあいだに広がって、国の命運にも影響を与えた感染症と飢饉。こういうものに対して戦ってきた人々…

2017年のおすすめ生命科学の本(パート1)

2018年になりました。明けましておめでとうございます。さて、このブログでは純粋に「科学」について説明するということにしていきたいと思います。 論文紹介などもできたらと思っていますが、取り敢えず、年始ということで、数回にわたって、印象に残った去…