わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

私の留学記(特別編)留学中のメンタルヘルス

秋、日照時間が短くなる。

将来についての展望がない。

孤独。話相手がいない。

研究がうまくいかない。

食べ物が合わない、社会の仕組みがわからないなどの生活上のストレス。

言葉がわからない。

体調が悪くても対処の仕方がわからない。。。

 。。。

 

海外生活では、日本にいる人には想像もできないような状況に晒され、やがてメンタルヘルス上の問題を抱えてしまうことが多いです。特に、研究の行方も将来の行き先もわからない研究生活は、日本に確実に帰ることが決まっている企業や政府関係の方の「海外赴任」とは違って、不安とストレスが非常に大きいのが特徴だと思います。研究留学ということでなくても、研究だけでも、メンタルヘルスの助けを要するようになる人も多いのです。たまたまeLifeがそういう調査をやっています。

 

私の知り合いもかなりやられた人がいます。

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かくいう私は、研究だけでなく、特に日本にいる様々な人などから迫害され、メンタルヘルス上の問題を抱えることになりました。そして、大学のメンタルヘルスのドクターにみてもらいました。

 

私の経験から、メンタルヘルスのドクター(MD)やナース・プラクティショナー(処方もできる看護師)は、自分に合う人を探すのが大切だと思います。マニュアル通りに細かなことを聞くばかりの男性のドクター、細かなことを聞かない女性のドクターなどにみてもらいましたが、私にはマニュアル通りではないドクターの方が合っていたようです。

 

私の知人には、やはり英語の問題があって、ドクターに見てもらうのに、かなり抵抗がある人がいたりしました。確かに、メンタルヘルスの診察というのは、英会話そのものなので大変かもしれません。米国の医療ですと、通訳をつけることもできるようですが、メンタルヘルスの問題はかなりパーソナルなことも関わってくるので、嫌な人もいるかもしれません。ただ、メンタルヘルスの場合は、他科の診察と違って、医学の専門用語のようなものはでてこないので、日常英会話をこなせる人でしたら、うまく説明できるのではないか、と思います。

 

さて、私の場合は、こんな薬をのんでいました。非常に一般的なものだと思います。

 

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エスシタロプラム(レキサプロ)は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗うつ薬)です。以前は、シタロプラム(セレクサ)を使っていましたが、40mg/日という処方の最大量を使っていたせいか、眠気や疲れなどかなり副作用がありました。また、シタロプラムを止めた時期、離脱の副作用がかなりつらくて、研究を止めることも考えた時期がありました(2014-2016年ごろ)。その後、光学異性体一つだけのエスシタロプラムがジェネリックになって安価(保険医療で1ヶ月分5ドル程度)になったことで、こちらは副作用がなく、かなり楽になりました。

 

まあ抗うつ薬というのは、本当に効いているのかどうかわからないということが多いです。効果がでてくるのは、服用し始めて数週間かかるので、それも知っておいた方がよいです(神経科学の謎の一つだと言われています)。

トラゾドンも抗うつ薬の一つですが、その副作用の一つである眠気を利用して、睡眠時間を確保するためのものです。私の場合、睡眠時間が3, 4時間という日が続いていて、昼間になると集中できない、血圧が不安定になるなどの問題があったため、とにかく睡眠が必要であるということで処方されたものです(これも安い薬です)。これは確かに効果がありました。

それと、季節性情動障害(SAD)の症状もひどかったために、高照度光療法もやっていました。北半球、特に高緯度の場所では、日照時間が短くなるので、高照度光療法は欠かせないでしょう。

 

ただ、こういう問題は、治療をしても、根本原因が除去されていないとやはりだめです。おかげさまで、私の場合、昼間起きている時には、自らの意志で対処することができるようになりました。ところが、夜眠っていると、「怒り」や「不安」がこみ上げてきて、それで目が覚めてしまうというようなことがしばしばあります。怒りや不安を意識下に抑えているということなのでしょう。

 

さて、こういう治療を受けると、DSM-Vを勉強したくなったりします。このAudiobookは役立ちます。 

 

以下、日本の大使館や文科省が出した読み物です。ご参考まで。。

 

 

海外でのメンタルヘルス (文科省のサイト)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/07/05/1293206_6.pdf

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/07/05/1293206_6.pdf