わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

COVID-19の診断試薬を考案してみた

日曜の午後、COVID-19の診断試薬を頭の中で考案してみました。

私は現在実験もできませんし、これを具体化する研究費もありません。もし、日本の方(企業を含む)で、実際にやってみたいという方がおられたらご連絡ください(電子メールは私のプロフィールのところからわかります)。具体的な方法について指導できます。そして更なる可能性も議論したいと思います。特許などの問題は現時点ではよくわかりません。

 

最近、プレプリントサーバbioRxivに発表されたナノボディの1つがCOVID-19の原因であるSARS-CoV-2に交叉する(文献1)ということで、このナノボディ(SARS-VHH-72)を使い、私が発表したHRPとの融合タンパク質をつくるRANbody(文献2)というものを利用し、P-RAN-SARS-VHH72を作ります。具体的には、Addgeneに登録されているプラスミドpCMV-P-RAN-GFP1(GFPに結合するナノボディを使ったRANbody)(下記のリンク3)のGFPナノボディの部分をSARS-VHH72で置き換えます()。このプラスミドpCMV-P-RAN-SARS-VHH72をHEK293T細胞にトランスフェクトし、上清を集めます。必要に応じて、HISタグを持ったタンパク質をニッケルやコバルトなどのカラムで濃縮したらよいと思います。この方法は、近日、protocol.ioのRanbody Forum上で公開する予定です(下記のリンク4)。

 

RANbodyを用いたウイルスの検出法については、最近、ニューカッスル病ウイルスの検出に利用できることが報告されています(文献5)。ELISAなどを用いて、ウイルスの検出、もしかしたら中和法によって抗体調査にも活用できるかもしれません。

 

なお、ナノボディについては私が執筆した以下の文献を参考にしてください。配列がわかっているので、取扱いが難しいポリクローナル抗体とは違って、容易に再現できるのが特徴です。

ナノボディ - 脳科学辞典

科学評論社 | 臨床免疫・アレルギー科 第73巻第3号(2020年3月発行)

 

図 P-RAN-SARS-VHH72のアミノ酸配列

f:id:dufay:20200406045439p:plain1) Structural Basis for Potent Neutralization of Betacoronaviruses by Single-domain Camelid Antibodies | bioRxiv

2) Reporter–nanobody fusions (RANbodies) as versatile, small, sensitive immunohistochemical reagents | PNAS 

3) Addgene: pCMV-P-RAN-GFP1 

4) RANbody forum - research group on protocols.io 

5) Fenobody and RANbody-based sandwich enzyme-linked immunosorbent assay to detect Newcastle disease virus