わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

特別編 New Normalでのラボ再開(その42)

くもり。昨日は雷雨が数回あって不安定な天気でしたが、今日も続くかもしれません。

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ハーバード大学の美術館には、Sacklerサックラーの名前が入っています。また、その場所は、昔、Louis Agassizルイ・アガシーが住んでいたということで、表示が掲げられています(上の写真)。

米国やヨーロッパで、悪い歴史のモニュメントを撤去するというような運動が広がっています。

数日前に、プリンストン大学が、第一次大戦ごろに米国大統領だったウィルソン大統領の名前の入った組織や建物の名前を止めるという決定をしたようです。ウィルソン氏はプリンストン大学の学長だったのですが、「14か条の平和原則Fourteen Points」や国際連盟League of Nationsの設立などに関わったとして、世界史に出てくる有名な米国大統領の1人だと思います。1919年にはノーベル平和賞を受賞しています。

日本に関わるところでは、国際連盟憲章に人種差別撤廃の条項を入れるとした日本の提案を議長として廃棄に追い込んだことでも知られています。

ウッドロウ・ウィルソン - Wikipedia

Racial Equality Proposal - Wikipedia


こういうものに共通するのは、かつてはその人にポジティブな側面があって、時代のある時点ではその人のネガティブな部分には知られていなかったのか、あるいは無視して、寄付を受け取ったり、モニュメントを作ってしまったりしたということなのでしょう。また、ポジティブな業績のある人がその後悪いことをしたということもある。理解する時には、その対象となっている人物そのもの、モニュメントを作るなどしてその人物を評価しようとした人達と時代背景、そしてそれが現在まで存続した時代を考えることが大切です。