わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

特別編 New Normalでのラボ再開(その46)

 くもり。昨日は晴れましたが、また不安定な天気になってきているようです。

f:id:dufay:20200702081713p:plain

7月は、米国の大学は部局の長の交替の時期になっています。このパンデミックの最中に交替するので、オンラインで挨拶があったりします。米国の部局のリーダーの場合、日本の持ち回りでやる全くやる気のないリーダー(学部長や学科長)とは違って、リーダーシップがきちんと評価されて、そういう人がなるので、ビジョンなどをしっかり語る必要があるわけです。

私のボスもこの6月でCenter for Brain Scienceという部局のディレクターの職を引退しました。新しくディレクターになったのは、重なる部局MCBのチェアであったVMさん。VMさんは立派な業績がありますが、?と思ったのですが。

MCBの新しくなったチェアのオンライン挨拶を聞いていたら、実はジェネリアファームのKSさんをリクルートしようとしたらしい。そしてFailしたと。。こんなことを公の場で、KSさんを実名でスライドに書いて、発表してしまう透明性というのがすごいと思いました。

KSさんというのは、ジェネリアからシアトルのアレン脳研究所に移籍するというのが既に4月に大々的に発表になっています。ハーバードのCenter for Brain Scienceとアレン脳研究所で奪い合いになって、ハーバードがリクルートできなかった。その結果、Center for Brain ScienceのディレクターはVMさんになったと。。KSさんは、MCBの卒業生でもあるのですが。

日本ですと、こういう人事の裏話というのは、コミュニティで密かに聞くことはあっても、公にはなかなかでてきません。人事の噂が出てくると、偽りの理由を表に出して、ごまかしてしまうということが常でしょう。私は、日本ではこういう部分をもっと表に出さないから、裏でこそこそ動く不透明な出来レースが蔓延し、欺瞞の競争ばかりになって、研究が活発にならないのではないか、と思っています。まあ、米国の場合も、そういうのがコミュニティのヤラセ的なものかもしれませんが。。