わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

特別編 New Normalでのラボライフ(7月末)

COVID-19での大学のロックダウンからラボ再開まで120回続けた日記ですが、4ヶ月経過して再開が本格化したということで、先週で特別編を一旦中止することにしました。しかし、記録に残しておきたいようなことが、また出てきましたので、1週間に1回程度のペースで、続きを書くことにしました。

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ラボはシフト制がなくなって、基本的には長時間滞在できることができるようになったのですが、他のラボもそうですが、人がすごく少ないのです。カフェテリアも開いていないので、ランチも大変です。夏休みのシーズンということなのですが、それでも、人が少ないので、なかなか活気が戻らないという状態です。

WFHのために自宅に移動させたコンピュータを、ようやくラボに移動しました。やはり、ネットが安定しているので、ウェブブラウザなどもサクサクと動きます。

でも、マスクをラボ内で長時間しているというのは結構きついです。5時間くらいなら、全く問題ないのですが、12時間以上経過すると、顔がかゆくなってきたり、やはり耳も痛くなったりしてきます。私の場合、土日もないので、毎日こういう状態が続くのです。新鮮な空気をたくさん吸い込めないせいか、頭の活動も鈍るような気がします(非科学的ですが、こういう研究というのはないのでしょうか。マスクを長時間して作業すると、作業効率が落ちるというような。。)。

そして、大学では、これから毎週、健常者のPCR検査を行うということになっています。既に、6月に検査を受けていて、その様子をブログにも書きました。

8月下旬になると、ハーバードのスタジアムにまで行かなくても、自分で検体を採集して、それを提出するというシステムが稼働されるようです。大学生(40%)も8月にはキャンパスに戻ってくるので、それを考えて、キャンパス内での感染拡大をいち早く見つけて、対応するという方針なのでしょう。これも、大学が先端バイオ研究施設であるブロード研究所を持っているので、自前で、PCR検査を頻繁に実施することができる特殊なところということがあるわけです。感染状況によっては、1週間に数回の健常者のPCR検査を行うというような計画もあるそうです。ハーバードの場合、こういう計画も、学内の世界的権威がアドバイスしているわけですが。。

ネットを見ているとPCR検査の数は抑えるべきだというような意見があるわけですが、お金と実施可能な施設があれば、できるだけ頻繁にやるのが良いというのは、やはりそうなのだと思います。個人の治療には役立たないし、本当は感染しているのに陰性になってしまうということがあっても、集団のなかで感染を発見して、速く対策ができれば、それは良いに決まっています。個人の感染を見逃しても、集団のなかで沢山実施すれば、感染を発見できるのです。

 「個人」の感染の診断か、「集団」の中で感染を発見することとは、違うものであるということです。このあたり、個人のことばかり考えている人ですと、なかなか理解できないのかもしれません。