2年前、ボストンにいたころ、食べ物などの買い物に行く時には、N95マスクをしていきました。たまたま化学物質、ウイルスベクター、微生物など扱っていたので、N95マスクが容易に入手できたのでした。その後、N95マスクの入手が難しくなり、ふだんは不織布マスクをするようになりました。
2022年1月になって、米国でもオミクロン株の感染が広がって、バイデン大統領も「バイデンマスク」として、N95相当マスクの着用、国民への配布を始めました。
ウレタンマスクや鼻マスクはやめてください
日本では、マスクをしている人がほとんどなのですが、一方でマスクの質や使い方についてはあまり議論になっていないように思います。ウレタンのマスクをしている人も多いですが、ウレタン製一枚のマスクがほとんど意味をなさないことはこれまでも指摘されてきています。ウレタンマスクや「鼻マスク」はダメであるともっと伝えるべきでしょう。
2重マスクのすすめ
一方、不織布マスク1枚だけは不十分で、CDCは2重マスクを推奨しています。2重マスクでは、顔側に不織布マスク、そして外側に布マスクをつけて、気密性を高めると有効性が高まるとされています。
不織布マスクは正しく装着する
ところで、不織布マスクの正しい付け方をしていない人をよくみかけます。
不織布マスクには、表裏があるので、それを正しく認識したいところです。耳紐の付け根が上になっている面が表(外側)です。青い医療用マスクですと、青い面が表です。この面を外にすることで、気密性を上げることができます。
これが表(外側になる面)。
裏(顔に接する面)には、本当の手術用マスクの場合、違った布(白色)が付いていて、肌にやさしくなっているということです。わたしは、不織布マスクの表の鼻のところに、両面テープを少し貼って、布のマスクと2枚重ねにして使っています。両面テープで不織布マスクと布マスクを貼り付けます。こうしますと、2枚のマスクがいつもくっついていて、隙間ができにくくなり、密閉状態が高まり、メガネの曇りも起こりにくくなります。
N95マスク、KF94マスク、KN95マスク(レスピレータ)
さて、布マスクと不織布マスクの2枚重ねとは別に、最近は街中で容易に入手できるKF94マスクとKN95マスクも使っています。
(上の写真)私が使っているN95(NIOSH承認), KF94(3M製), KN95(100均)マスク。不織布と布の2重マスクと、場所によって使い分けている。例えば、ふだんは2重マスク、リスクの高そうな場所に行くときはKF94、更に混雑している場所ではN95マスクを使用。
ちなみに、N95は、米国のNIOSH (米国労働安全衛生研究所)承認の規格です。N95は、耳にかけるタイプでなく、頭の後ろにまでのばして装着するようになっているものです。N95は日本の市中の店ではほとんど見かけません。Amazonなどでは一般でも入手可能なようですが。。
KN95マスクは中国の同等な規格、KF94は韓国の同等な規格です。
偽物KN95が多く出回っている?
中国製のKN95は、偽物であるとか、認証されていても質の低いものが多いというのが、米国の認識のようです。KN95マスクの場合、“GB2626-2019"あるいは“GB2626-2006"という番号が書かれているものが中国政府による規格です。この番号が書かれていないものは、まちがいなく偽物でしょう。
KF94マスク
一方、韓国規格のKF94の場合は、Made in Koreaと書かれていればほぼ信用できるものであるようです。日本の市中で容易に入手できるのは、3Mのもので、これはなかなか密着性があり、米国N95と同じような感じで頭の後ろで留めることも可能になっていて、なかなかよいと感じます。
生物医学系の研究者ですと、3Mとか、Kimberly-Clark(キムワイプの製造元)の製品というと、やはりブランド品として信頼性が高いです。価格が高いのが問題ではありますが。。
3MのKF94
N95とKF94マスク
N95は、NIOSH認証。
米国で入手可能なKimberly-Clark社のN95マスク。
日本の100均(SERIAやDaido)で入手可能なKN95マスク。
安いので買ってはみたものの、やや装着感がよろしくないようです。結局使っていません。
一応、日本の規格もありますが、あまり見かけません。日本産業規格「JIS T 9001」「JIS T 9002」とか、DS2とか、あるようですが。ちなみに、JN95という規格は正式なものではないようです。