わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

パンデミックの中での国際引越(その2)

12月末で、米国での研究生活をやめて、日本に「無職」で帰国することになり、現在は日本で米国からの帰国に伴う2週間の隔離期間中です。
(5)電話
インターネットの普及により電話の利用機会は以前に比べて少なくなっているというのは多くの人が感じていることと思います。突然かかってきて生活に介入してくる電話より、都合の良い時に見れて、都合の良い時に返信できる電子メールの便利さから、できる限り電子メールを使うということになっています。私など1日200から500くらいの電子メールを受け取るので、ほとんど捨てている状態ですが。。
 
それはともかく電話も、例えば2段階認証とか、外出した時などのために持っていないといけない。でも、電話はほとんど使う機会もないので、SIMカードを入れる格安業者のものを利用してきました。これですと、月10ドルもかかりません。
 
引っ越しに伴い、電話をいつ解約するのかは結構問題です。特に、引っ越しの時こそ、電話が必要になったりするわけです。今回も、帰りの荷物がかなり重たく、年末の12/31夕方に空港近くのホテルに行くということになったので、タクシーを利用しました。予めウェッブサイトで予約しておいたものの、やはりここは米国。いい加減なものが多く、予約時間にタクシーが来ませんでした。そこで、電話をかける必要がありました。米国に長く住んでいると、こういう予約はあてにならない、というような感覚が身についているので、常にバックアップ体制を考えておく習慣が身についているのです。
 
結局、電話は出発直前に空港で行うことができました。米国のこういう契約は、何でもそうなのですが、最初の契約時は非常に簡単にできるようになっているのに、解約時はとても複雑になっていることが常です。例えば、契約時はネットで簡単にできるのに、解約時はネットではできず、電話や郵便で行ったりする必要があります(確か、カリフォルニア州ではネットで契約できるものはネットで解約できるようにしないといけないという条例ができたと思います)。電話をかけると、プッシュボタンの選択を求められ、どれを選んだらよいのか、よくわからない(解約の選択がない。長時間待たされる)。この格安電話もこの典型でした。しかし、電話をかけたらすぐ解約できたのでよかったです。
 
(6)日本での検疫
さて、今回はボストンから成田へのJAL直行便を利用しました。JALは高いし予約が取りにくかったりするので、以前は躊躇していたのですが、やはり直行便で乗り換えなしで成田まで行けるのは大きな魅力です。
 
ボストンのローガン空港Eターミナルは、海外渡航便のターミナル。フライトの朝、そこに行くと、人が全くいない。人がいないのは空いていてよいのですが、逆に不安になります。一応、on timeで出発するという掲示がでていましたが。
f:id:dufay:20210105090317p:plain人が全くいないボストンの空港の国際線ターミナル
 
そしてやはりJAL007便、搭乗してみると、人がほとんどいない。JALの北米路線はやはり日本にとっての重要国家であるアメリカ合衆国を結ぶ便なので、プレミアム感があり飛行機も最新鋭のものが導入されていると思います。今回は、ボーイング787-9という機種(195座席があるらしい)でしたが、そういうもののようでした。しかし、乗客は数えてみると、6人か7人くらいしか乗っていませんでした。搭乗率が5%以下というのには驚きました。人がいないので、トイレもいつも空いているし、動きやすくて、食事もすぐ終わり、とても快適であったことは確かですが、航空業界の厳しさを認識することができました。

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さて、成田に到着すると、まず新型コロナウイルスの簡便検査(唾液の抗原検査)があります。今回は乗客も少なく、他の便も同じように少ないので、到着してすぐにこの検査を受けました。唾液を1ccくらい採集して、45分くらい待っていると、結果がでて、番号を呼ばれ、陰性だったので、入国審査に進みました。この待っている時、座らせる椅子の雰囲気が何か試験場のような感じで、人道的に変な感情を感じました。しかも空気の流れが悪く、まだ陰性、陽性が不明な人たちをこういう状態で、同じところで密に近いところで待機させるというのが、科学的に問題があるのではないか、とも思いました(あるいは意図的なのか)。もちろん、この検査は感度が低いので、結果もそれほど信用できないと思いますが、この時点ではまだその結果も不明な段階なはずです。

 
米国に滞在している1週間ほど前に、厚労省のサイトで、電子メール、健康情報、連絡先などを入力して、個人ごとのQRコードを入手し、プリントアウトしておきました(引っ越しだと、プリンターを使えなくなる可能性があります)。この時、1週間前の健康情報(熱があるとか)を入力したので、早すぎるのではないか、と思いましたが、どうもこれは連絡先などの個人情報とつながったQRコードを作製することが目的のようで、入力時の健康情報を把握するのが目的ではないようです(目的を明確に記載するべきでしょう)。また、機内で記入する書類もあり、それにも記入しました。空港での検査の結果はそれらにリンクされ、陰性ですと、陰性とのハンコがおされ、検疫修了の紙が渡されました。この紙は、後でも見せる機会があったので(ホテルへの隔離対象者専用バスに乗る時とか)、証明書のようなものです。
 
入国審査、税関を通過。今回は別送荷物があったので、2枚の通関書類を出し、そのうちの1枚を別送荷物引っ越し業者の窓口に提出しました。また、とりあえずの日本円の現金が不足していたので、少しだけ空港で両替しました。ところが、海外からの隔離対象者が指定ホテルに向かうためのバスの乗り場が全くわからない。インフォメーションで聞いたらわかりましたが。。でも、このバスも座席の密度や空調が全く考慮されておらず、米国から帰ってくると、非常な違和感を感じました。
f:id:dufay:20210105125847j:plain米国のシャトルバスの座席
隔離先のホテルでは、毎日の健康状態の観察です。これって政府(厚労省)から連絡があって、そこに連絡するのかと思っていたら、最終滞在地の都道府県庁から連絡があるのですね。電話あるいは電子メールで連絡法を選べるようになっているのですが。。
 
いずれにしても、日本の行政システムは、状況の説明が不足しているといういつもの体験です(米国のシステムだと、すぐ見つからないかもしれないが、どこかで必ず詳しく説明されていることが多い。訴訟が多いせいでしょうが。)。