わがまま科学者日記

純粋に科学のお話をしたい。。

特別編 New Normalでのラボ再開(その45)

晴れ。朝は霧。

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最近、このジャーナルのエディターをやっている関係で、投稿論文の査読を各国の研究者にお願いするということを時々やっています。

Twitterなどでいろいろな人の話を見ていると、このパンデミックの影響で、論文投稿数も一般的には減っているという感触です。やはり、論文を書くというのはラボがなくてもできますが、実験ができないので、どうしても必要なデータが揃わなくて投稿に至らないということかもしれません。ベンチワークを伴わない理論系の分野では、論文執筆に集中できるという人もいる。一方、家庭がある人の場合、WFHですと、子供などが近くにいて、託児施設も利用できないので、仕事に集中できないということです。これは、育児などに関わることが多い女性研究者に大きな負担となっているようです。

査読の場合、他人の論文を読むということですので、「欲しいデータが揃わなくて先に進まない」という問題はないでしょうが、やはりWFHの弊害というのはあるのかもしれません。でも快く引き受けてくださる研究者が多いのでありがたいことだと思います。一方で、査読を依頼しても、諾否の連絡さえもこない研究者も多い。時間が過ぎても諾否を明確にしないというのが一番困るのです。

査読結果に対しては、著者が逐一返答する必要があります。そのなかで、COVID19の影響があるので実験ができないので甘く見てくれなどと言うような人もいるのですね。。COVID19でも論文査読の基準は甘くなりません。